鍼灸師が出産に至るまで②

店主のつぶやき


前回の続きで出産レポの投稿となります。


22時過ぎに病院に到着し、NSTという機械をつけ、陣痛の間隔の確認。医師による内診を行った結果、陣痛がきているとのことで入院となりました。初産なので時間がかかるだろうと、立ち合いを希望していた夫は一時帰宅。出産が夜中に進まなければ、日が明けてから再度病院にくることになりました。

そこからは陣痛室でひたすら定期的にくる痛みに耐えるのみです。途中で何回か夜勤スタッフが来てくださり、温かい声かけや腰回りをさすってくれました。夜中の3時あたりまで自分の携帯で陣痛カウンターを利用し、陣痛の間隔を測定していましたが、気付いたらウトウトし、短時間ですがひと眠りしていました。

朝方5時頃再度自分の携帯を用いて陣痛間隔を測定してみると、深夜に4分間隔だったものが8分ほどの間隔になっていました。夜勤スタッフさんも朝のラウンドのため訪室してくださり、再度NSTを用いて陣痛間隔を測定しましたが、やはり遠のいている感じがあるとのことでした。
この時はまだ、しゃべれる、歩ける、笑えるという余裕がありました。

7時頃になり、医師が再度診察を行い、陣痛間隔が遠のいているので陣痛促進剤を使用することとなりました。朝ごはんを食べてから促進剤の投与を始めるとのことで、待ちに待った朝ごはん!!
朝ドラを観つつ、人の作ったご飯を食べるのは最高でした!!

朝ごはんを食べ終え、夫も病院に到着。
9:30過ぎ~陣痛促進剤の点滴が始まりました。
点滴が開始されたせいなのか陣痛の痛みも強くなってきました。陣痛カウンターで間隔を測定する余裕がないほどの痛みとなっていました。ひたすらベッド柵や布団にしがみつくのみ。
しゃべれない。動けない。笑えない。

夫は何をしていいかわからなそうしているのに加え、自分の痛みも強くなってきていたため、自分からボールを用いて「腰を押してほしい」と依頼。夫は恐る恐るボールで肛門付近を圧迫するため「もっと強くお願いします」と何度も依頼。

私も看護学校の実習で出産に立ち会うことができたのですが、見学させてくださった方の陣痛逃しを協力した際、何回も「もっと強く」と言われたことを思い出しました。夫でさえ「もっとここをこうして押してほしい」と言いづらさがあったため、見学させてくれた人はもっといいづらかっただろうなと思いました。

11:45ごろ すでに痛みが強すぎて陣痛が来ているときはしゃべれない状態、どの姿勢が楽なの、どうしたらいいのか分からず。トイレに行くのもやっとで、夫についてきてほしいと言いたいくらいに痛みに悶えていました。お昼ご飯も出されましたが、痛みで食べれず。日勤スタッフさんに食べたほうがいいと何度も言われましたが、食べれず。コーヒーゼリーだけ食べました。

12:00過ぎ 陣痛の間隔とともに赤ちゃんの心拍も測定していたのですが、急に心拍が下がり始めたようで酸素マスクを装着することになりました。また、そのまま分娩室へ移動。痛みのあまり陣痛が来た際は「いーたーいー」と声に出していました。頭の片隅に息を吐くことが大事とわかっていても、余裕がなくうまく呼吸もできません。スタッフさんに「赤ちゃんに酸素送るため深呼吸」「息吐ききって。力抜いて」と何度も声掛けされました。

しばらく酸素吸入をしていたら赤ちゃんの心拍ももとに戻り、酸素はOFFになりました。
しかし、そこからも痛みに耐えるのみ。陣痛がくると夫にグーパンチやボールで肛門付近を押してもらいつつ、私はベッド柵にしがみつき「いーーたーーいーー」とこの繰り返し。痛みのあまり、スタッフさんの腕にもしがみついていました。昼に食べたコーヒーゼリーや飲んだ水でさえ何度も吐きそうになりました。

15時過ぎ 子宮口がまだ6㎝(全開大10㎝)と言われ、私は頭の中で「耐えられない」と思いつつ、疲れもあり陣痛が収まると目をつぶるしかできなくなっていました。

16時過ぎ 突然、お産進み子宮口が全開になり、助産師さんが急いで出産準備に入ります。
「遠藤さん、手が変な方向向いちゃってるから」とスタッフの方に言われました。スタッフさんの指示通りにいきんだりや力を抜いたりし、無事に男児を出産しました。

出産時間約21時間。もう少し出産時間が長ければ帝王切開の可能性もあったそうです。
前回の記事の、出産時間短いという思いはまんまと裏切られました。
出産後に病院から出されたバニラアイスが最高においしかったです。


と、こんな、出産でした。
産休入る前にも来ていただいたお客様から出産話を聞きましたが、本当に人それぞれドラマがありますね。そして出産後も産後の身体の変化、赤ちゃんのお世話、授乳の問題、さまざまな問題が生じます。育児に正解はないといいますので、楽しみながら我が子と日々を過ごしたいと思います。

いろんなことを感じ、考えさせられる毎日ですが、ひとまず出産レポのブログはここまでとさせていただきます。
文字ばかりで飾り気のないブログを最後まで読んでいただきありがとうございました。

店主 遠藤